fbpx

Introduce

お互いが思いやる世界 戦争のない世界へ

泰藏寺
高橋一昭さん

Activity活動内容

寺院活動・浄土真宗の教えの布教を行っております。

御門徒の方々の負担をなくしたいと思い、<ほっと資産>の活用方法、泰蔵寺プランを考えました。

・電気料金の 2.5%相当を泰蔵寺へ寄付します。
・毎年の門徒会費を支払う必要がなくなります。

電気を切り替える下さった方は、テラエナジーでんきを通じて泰蔵寺を護持していただいていますので、毎年の門徒会費を支払う必要はありません。

Interviewこんなに人って助けてくれるのだ、こんなにも互いに深く信頼し合えるのだ・泰藏寺

泰藏寺・髙橋一昭さん
泰藏寺

山の中腹まで登り、泰藏寺(たいぞうじ)の境内に入ると、重厚なたたずまいの本堂と柔らかな雰囲気のご住職が出迎えてくれます。お寺の正門から望む眼下には、大切に受け継がれてきたであろう美しく整った田園風景が広がります。そんな歴史を感じる泰藏寺のご住職、髙橋さんに、お寺の組織を大改革した経験や僧侶になったきっかけについてお伺いしました。

ライター:藤井一葉
兵庫生まれ。浄土真宗本願寺派の僧侶。言葉で表現することと向き合い中。日本茶と本を眺めることに喜びを感じる。仏様のお話をさせていただくことも。若手僧侶のグループ・ワカゾーでデス・カフェという死をカジュアルに語る場を提供している。前職では仏教やお寺にご縁のなかった方への情報発信ウェブサイト「他力本願.net」を企画運営。TERA Energyでは、メルマガも担当。

記事のすべてを見る

何事も前向きに捉え、チャレンジする精神

ー泰藏寺の歴史について教えて下さい。

髙橋さん
1660年(万治3年)に真言宗から浄土真宗へ改宗して今に至っています。今の本堂は、江戸時代くらいに建立されている、150年以上前の伽藍(がらん)です。

ー360年以上、ずっと守られてきたのですね。テラエナジーのほっと資産団体への参加もそうですが、普段から新しいことに積極的に取り組んでおられるのですか?

髙橋さん
そうですね。そうした面は確かにありますが、泰藏寺がずっと守られて今続いているのは、私だけではなく
今までの人たちが伝統を守りつつ、新しいことにチャンジしてきた積み重ねの結果だと思っています。

随分前になりますが、本堂に椅子席を導入しました。それまでは本堂には椅子がなく、正座が基本でした。最近では、椅子席を据えるお寺も増えていますが、この地域では泰藏寺が一番に導入しました。ちょっとしたことですが、椅子席にしたことで、お参りに来られる方には喜ばれています。足の悪いご年配の方はもちろん、正座になれていない若い方にとっても、お参りがし易くなったと好評です。

ーお寺の世界は新しい発想が出にくい面がある様に思いますが、前例があまりない中で、そういったことを思いつき、実際に行動できるのは凄いですね。

髙橋さん
みんながどうしたら本堂に参りやすくなるかを常に考え、早め早めに行動していきたいと思っています。テラエナジーのほっと資産団体への参加も、同じ思いです。門徒さん※で、ほっと資産団体を「泰藏寺」にしてくださった方は、お寺の護寺会費として活用させていただくようにしてみました。
これもチャレンジです。何事も前向きに捉え、まずはやってみようと思っています。

※浄土真宗の寺院に属する人々、または浄土真宗を信仰する人々のこと。

子どもたちが、手を合わせる風景

ー他にもお寺で活動されていることはありますか?

髙橋さん
法要など、お寺の年間行事はもちろんですが、10年前から宗祖降誕会(しゅうそごうたんえ)※では、法要後にビアガーデンを開いています。年に一度のことですが、お寺に来る人が増えました。普段はお参りされないような方もお越しくださり、新たなご縁ができて有り難く思っています。

※毎年5月21日を浄土真宗の開祖 親鸞聖人のお誕生日として勤められる法要のこと。

あとは、夏休みに土曜学校の行事として子どもたちのサマースクールをしています。サマースクールでは、1日中みんなで過ごします。みんなで仏様に手を合わせ、仏教のお話しを聞き、境内で遊び、野外活動を行って、手作りの食事をいただきます。野外教育をしている門徒さんに協力していただき、子どもたちのお世話をしています。最近、会場は設備の整った近くの青少年交流の家で開催していますが、開講式はお寺でしています。お寺で、子どもたちが仏様に手を合わせてくれる姿を見ると思わず顔がほころびます。

いつか、この地域の中学生たちとテーマを設けて討論会みたいなこともしてみたいです。しかしながら、なかなか子どもが集まらないので、どうやったら若い人がお寺に来てくれるのか悩んでいるのが正直なところです。

ー子どもが集まらないというお話は、他のお寺でもよく聞きます。近年の教育に対して、どの様なことを感じておられますか?

髙橋さん
私はお寺の住職として、人権擁護委員と保護司※の活動をしています。そこで感じるのは、子どもたちが損得勘定で動くことが多くなった、ということです。

最近は、子どもたちが夏休みの自由研究を提出すると、景品のようなものが出るようです。課題ごとに景品が変わるようで、どの課題に取り組むかを景品によって選んでいる小学生が多いようです。本来であれば、本当にやってみたいことや知りたいことを課題に選んで欲しいと思うのですが、その様にはなっていないようです。景品で釣るような教育の仕方には、疑問を感じます。

※犯罪をしてしまった人や非行少年の更生や社会復帰をサポートする役割。

ー泰藏寺のご住職として、これまでに一番、嬉しかったことは何ですか?

髙橋さん
門徒さんたちがお寺の活動へ積極的に参加し、新しいチャレンジも応援して、一生懸命についてきてくださるのが、一番嬉しいです。今の様な活発になったきっかけは、平成23年に行ったお寺の組織の大改革でした。それまでは、お寺を支える総代会という組織が形骸化していて、あまり活発な活動ができていませんでした。しかし、思い切って一から総代会のメンバーを入れ替え、組織改革をしたことで、ずいぶんと活性化しました。

ー大改革をしようと思い立ったきっかけは?

髙橋さん
門徒さんに、お寺の組織のあり方についてお声をもらったことがきっかけです。その時に、応援してくださる門徒さんがいることに改めて気付かされ、ちゃんと組織を整えてお寺の活動をしていこう、と思いました。そうしていると、だんだんとお寺を応援して積極的に動いてくださる方や、前向きな意見を言ってくださる方が増えました。

次につないでいくためには、組織づくりからちゃんとやっていかないといけないと痛感しています。

 

仏教に触れることで、育つ感覚

ー髙橋さんは、元々お寺や仏教に関心をお持ちだったのですか?

髙橋さん
私はこのお寺で生まれ、後継ぎとして育てられました。しかし、若い頃は仏教が嫌いでした。小さい頃からあとを継ぐことを強いられている感じがあり、自分のやりたいことができない感覚があったように思います。大学も経済学を専攻し、仏教については学ばず、ずっと反発し続けていました。

ーそれでも、お寺を継ぐ決心をなさったのですね?

髙橋さん
一番大きな転機は、祖父でした。祖父が病気になり、病床で私に向かって「あんた、ほんまに大丈夫か?」と言われたことがずっと引っかかっていました。祖父から私に、
「あんたの将来、命を終えた先のことは大丈夫か?お浄土にいけるんか?」と問われているような感じがしました。それが大きなきっかけとなり「仏教をしっかりと知っていかねば」と思いました。

ー病床でのお祖父様の言葉は重かったでしょうね。実際に、お寺を継がれてどうですか?

髙橋さん
良かったと強く思います。人と人とのつながりの大切さや嬉しさを実感しています。こんなに人って助けてくれるのだと驚いています。こんなにも互いに深く信頼し合って活動できるのかと、そのことがとても嬉しく、支えになっています。

本堂の裏には丹精込めて手入れされている庭が広がっています。

ーテラエナジーは、温かなつながりをつむぐ会社なのですが、泰藏寺さまのコミュニティには、私たちの思い描く温かなつながりに溢れていると感じました。この素晴らしいお寺のご住職をする中で、最近、感動したことはありますか?

髙橋さん
お寺での研修会で「いのちのいただく」という絵本に出会いました。食肉解体業では牛や豚を殺し解体することを「いのちを解(と)く」というそうなのですが、その「いのちを解くこと」を仕事にされている坂本さんの体験を元に、助産師の内田さんが書かれた絵本です。

「いのちをいただくこと、そうせんと人間はいきていんのじゃ」と描かれていました。この絵本に出会ってからというもの、ご飯を食べたり、テレビで食に関する番組を見る度に、この絵本を思い出す様になりました。そして、様々ないのちを解いて、いま自分は生きているんだと手を合わせています。

ー「いのちのいただく」ぜひ読んでみたいです。いのちのお話とつながるかもしれませんが、髙橋さんの死生観、生きること死ぬことについて聞かせてください。

髙橋さん
以前は、死ぬことが怖いと思っていました。ですが、70歳を超えてくると、死んでいくことをそれほど怖いとは思わなくなってきました。むしろ受け入れる気持ちになっています。年をとると、だんだん気持ちが変わってきますね。生きている限りは、死がやってくる。それを受け入れようと。だから、死は嫌ですが不安はないですね。

仏教では、浄土があるといいます。ただそれは、自分では確認しようのない、どうしようもないことです。そこは、仏様におまかせするしかない。浄土があろうがなかろうが、死んでいくのですから。それをあれこれ私の頭で考えても仕方がないです。ここは「阿弥陀さんにおまかせしておこう」という感覚です。そういった感覚は、昔はなかったですが仏教にふれることで、その感覚が育ってきました。本当に不思議なものです。

団体情報

設立
1660年
活動領域
浄土真宗
活動中心地域
広島県三原市

電気を切り替えて
この団体を応援する

寄付先団体を選ぶに戻る