
Interview応援者さまの声を
お届けいたします
テラエナジーでんきでは、たくさんのユーザーさまが様々な想いを持って応援してくれています。個性豊かなユーザーさまの声をみなさまにお届けいたします。
ーWebサイトを拝見すると「会社は、働く人のために存在する。」という言葉が目に飛び込んできます。どんな思いが込められているのでしょうか。
齊藤代表(以下「齊藤」):生きとし生けるものは、自分の人生が豊かでありたいと思い生きています。人ももちろんそうで、会社はそのための一つの手段であり道具だという思いです。ワークライフバランスという言葉がありますが、そもそもワークとライフは並列するものではなく、ワークはライフの一部だと私は考えています。これは創業者の思いでもありますし、今の私自身の価値観でもあります。
ーその実現のために大切にされていることを教えてください。
齊藤:会社の成長を目的にしないことです。会社の制度や実施することは全て「働く人のため」に存在します。例えば様々な研修も行いますが、受けた人が豊かになることを目的に実施しているので、レポートはありません。その人の中に積み重なっていればいいからです。
ー他人に見せるためではなく、自分の中に。
齊藤:そうです。人生が豊かであるためには、「自分の人生の舵は自分で握る」ことが大切だと考えています。そのため、稟議書もありません。自分で決めて大丈夫だと判断したものはそのまま決裁してもらいます。自分の裁量を超えていると思うものに関しての相談はもちろんできます。決裁の時は機械的に稟議書を出して誰かに判断してもらうのではなく、「その都度自分と向き合って判断する」。そんな一つ一つのことが、自分の人生を歩むことにつながると思っています。
ー自分と他者、自分と会社といった「自分軸」の関係性の構築が重要ですね。地域循環のワークシェアスペースACWA BASEも、様々な関係性が生まれる場だとうかがっています。
齊藤:はい。誰がいつ来てもいつ帰っても、仕事をしてもしなくてもいい、という“ごちゃまぜ”の場です。働いていただいたら、もちろんその分の対価をお支払いしています。事業をしている私たちが持っている資産は「仕事」なので、仕事をきっかけに社会的に孤立しやすい方々とつながれたらいいなという思いで始めました。地域の人たちが集うことで顔の見える関係性が生まれて社会的孤立が減れば、社員たちが暮らす地域もよりよくなっていく。だから、会社として取り組んでいます。
ー実際にどのように利用されているのでしょうか。
齊藤:いつ来てもいつ帰ってもいいのですが、多くの方は決まった曜日の決まった時間帯に来られるようになります。その方の生活リズムに自然と入っている感じですね。毎日のように来てくださる方から、「ここがなかったら、私、引きこもったままやったわ」と言っていただいたこともあります。ノルマは全くありませんが、仕事があるからこそ、「行くと役に立てるからまた行こう」「あと少しだから頑張って終わらせて帰ろう」といった使命感を持って関わってくださる方も多いようです。
ー人と人、人と仕事といった関係性が生まれる場なんですね。そんな様々な“関係性”を生み出しているアグティで、テラエナジーでんきを選んでいただいた理由は何でしょうか。
齊藤:再生可能エネルギー(以下「再エネ」)を使用していることが理由の一つです。働く人のためには、その人たちが暮らしている地域や社会をよくすることも必要で、再エネはそこにつながると考えて切り替えました。ですが、一番大きな理由は「人が見えたこと」です。契約にあたってお話をしていく中で、代表や社員の方々の顔が見えて、この人たちとつながって一緒に何かやってみたいと思えました。テラエナジーの目指す「人と人の温かなつながりを紡ぐ」という思いはACWA BASEにも通じるものがあり、共感しています。
ーありがとうございます。テラエナジーでんきは「寄付つきでんき」として、さまざまな社会課題の解決に取り組む団体(テラエナジーでは「ほっと資産団体」と呼称)へ寄付がまわる仕組みになっています。ACWA BASEは今回、ほっと資産団体に認定となり、お客様に寄付先として選んでいただくことができるようになりました。電力契約の切り替えだけでなく、テラエナジーとこれから関わっていくなかで実現していきたいことについてお聞かせください。
齊藤:再エネを広げていくには、やはり個人や家庭に根付いていくことが必要だと考えています。私たちはACWA BASEという人や地域とつながる場所を持っているので、そこで「再エネを使うことが社会や地域にどんなプラスを生むのか」ということをアナウンスしていきたいですね。
とはいえ、もちろん選択は各個人にありますから、強制するようなものはイメージしていません。ただ、テラエナジーという面白い会社があって、寄付つきで地域や社会を応援できる電力がある、ということを個人の方にもっと知ってもらえる機会が作れたら面白いんじゃないか、と考えています。
ー本当に「人」を見て、大切にされていますね。
齊藤:一人一人に何を伝えるか、どう付き合っていくかが大切だと思っています。会社や社会を作っているのは、最終的にはやはり一人一人の「人」なので。だからこそ再エネも、規模的には会社での利用も重要ですが、個人利用者が増えていくような状況が一番いいんじゃないかと。そのためにご一緒できることがあれば嬉しいですね。
ー最後に、今後の展望をお聞かせください。
齊藤:私個人のことで言えば、あまり未来を描きすぎないようにしています。人の思いや目指すものはその時の状況や環境によって変わっていくものだと思っているので、常に“今”を見て、「今いい感じ」と言える日々が続くことを大切にしています。会社の展望としては、2027年4月に、創業者の息子に代表をバトンタッチします。私自身がこれまで経営と向き合ってきた中で、「自分らしく経営をしていくこと」が一番大切だと考えています。次の社長が私の経営をただ受け取るだけにならないように、会社を“自分ごと”として自分らしく経営していけるように、私から伝えられることを全て伝えていきたいと思います。
【プロフィール】齊藤 徹(さいとう とおる)
株式会社アグティ/代表取締役
高校卒業後、叔父が経営する有限会社アロマクリエイトに、アルバイトを経て19歳で入社。会社が株式会社アグティに組織変更された25歳の時に取締役に就任。35歳で事業承継により代表取締役社長に就任後、創業者の信念である「会社は、働く人のために存在する。」を“自分らしく”実現するため、様々な施策を実施している。
_________
取材:小熊広宣(テラエナジー)
写真:藤井一葉(テラエナジー)
執筆:森久恵(株式会社枠)