
Activity活動内容
2011年に起きた福島第一原発の爆発事故によって、広葉樹が広がる阿武隈地域の里山は放射能によって広範囲に汚染されてしまいました。一般的にはあまり知られていませんが、この地域の里山経済を担ってきたのは質・量とも国内屈指の生産量を誇ったシイタケ用原木(クヌギやコナラ)でした。ところが原発事故により出荷は止まり、その状況は10年以上がたった今も基本的には変わっていません。クヌギやコナラを伐採するチェーンソーの音は止まったままなのです。
この状態をこのまま見過ごしてしまえば、遠からずこの地域の里山経済は崩壊してしまう可能性は極めて大きいと言わざるをえません。そこで私たちは、使用できなくなってしまったクヌギやコナラに代わって天然の塗料でもあり縄文時代から使われてきたウルシを植えることにより、この地域の疲弊した里山経済を再生する一つの手段として2023年に一般社団法人を設立しました。
また併せて、漆の国と言われながらもこれまでに10%にも満たない漆の自給率向上も目指しています。そのために賛同する地元の方々と共に作業することはもちろんのこと、これまで福島で作られてきた電気を使用してきた首都圏で暮らす方々とも協力しながら、耕作放棄地を中心に毎年最低でも1000〜2000本を目標に植栽を行い、草刈りなどの日常管理を行なってきています。
加えてウルシの苗木も購入に頼るのではなく、数年後の完全自給化を目指し、2025年より実生からの育成にも取り組み始めました。また植栽適地の棲み分けをすべく、日照時間の少ない植栽地には漢方やアロマオイルとしても利用されるクロモジ(毎年500本)も植栽しています。




