看護師の仕事を通して高齢者に寄り添った時、医療が進み寿命が延伸できている反面それに伴う幸せが置いてきぼりになっている事に問題を感じました。一人暮らしの方が多く健康寿命を過ぎると外出がし辛くなり人とのつながりが少なくなった時には生きる意味さへ見失います。そこで画面越しにでも人と出会い、おしゃべりできるだけでも笑顔になれると考え2021年から高齢者が集うZoomの喋り場をスタート。
現在は月に2回「オンライン学級会」という名で開催。小学校の時間割であった学級会のように様々なテーマやイベントを企画。高齢者が会話をして楽しめるようにテーマを設けたおしゃべり会・四季折々のイベントに合わせて「オンライン盆踊り」「仮装してハロウィン」なども実施。時には脳トレ講師・海外の子ども達と交流イベントなど、高齢者の知的好奇心を満たしています。社会課題解決に向け1人でも多くの方に参加していただけるように2024年度から無料開放し、高齢者の日常にデジタルを使った人とのつながりと居場所を提供しています。
参加者は60代〜90代と幅広く歳の差を感じさせないぐらいに色々な話で盛り上がっています。普段なら出会う事のない遠くに住んでいる参加者と顔を見て話すことで刺激になり頑張ろうと思えたり、入院先からも参加したり、時々やってくるゲスト講師の話には興味津々で目を輝かせて聞かれています。
ご家族さんのお話をご紹介。
父が91歳になり、なかなか思うように一人で外出もできなくなって、元気がない様子が気になっておりました。とはいえ、デイサービスのようなところも気がすすまないとのことで、オンラインで参加できるようなシニアの居場所はないものかとネットで探していた時、オンライン学級会があることがわかり、動画を拝見したら、とても生き生きと皆さん楽しそうにされておられたので、父に紹介しました。 少人数だったこともありじっくりお話できて、和気藹々としてとても楽しかったようです。なかなか家から出られなくなり、今までの活動もできない中、新しい出会いがあり、お話ができて、とてもありがたく思っております。
いつも父からは短文のLINEしかこないのに、この日は、とてもよかった、また参加したい、などなど、父にしては長文のLINEがきて私まで嬉しくなりました。
玉井さんが日々の看護師さんの活動の中で実感したことを元にこうした協会を立ち上げて、活動されているとのこと、尊敬いたします。こうした「居場所」や「つながり」を求めている方は全国にたくさんいらっしゃるのではないかと思います。