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Introduce

全ての命の源である「みず」と人の輪、心の我、循環の環、
仲間の和「わ」を真ん中にして、生きていける世界を創っていきたい

みずとわ
中井優紀さん

Activity活動内容

農家と、農家を支える人たちが発起人となり、持続可能な循環型のまちづくりを始めました。

未利用資源や地域資源、廃棄物を活用して、小さな事業を生み出していく「自治コミュニティ」と、拠点である「にんげん小屋みずとわ」を運営しています。

廃棄物を炭にするエネルギーを活用した発電事業や、循環型農業、雑草等を活用した手仕事・加工品事業、循環型の暮らしが体験できる宿泊・体験事業等を進めています。

Interview
自分たちの生活を自分たちで成り立たせる仕組みを作りたい

中井優紀さん、中井大介さん、横峯哲也さん、
横峯亜由美さん、中田俊さん

「一般社団法人 みずとわ」では、未利用資源や地域資源、廃棄物を活用して、小さな事業を生み出していく「自治コミュニティ」と、拠点である「にんげん小屋みずとわ」を運営している団体です。コミュニティだけでなく、廃棄物を炭にするエネルギーを活用した発電事業や循環型の暮らしが体験できる宿泊・体験事業等も進めています。
みずとわのメンバーで代表理事を務めている中井さん夫妻(写真右)は、江戸時代から栽培されており「なにわの伝統野菜」にも認定された、三島独活(ウド)の栽培も手がけており、その他のメンバーも、自然養鶏などそれぞれの視点で活動を続けています。
今回、みずとわのメンバーである5名に、みずとわの立ち上げの経緯から自然に対する考え方まで、お話をお伺いしてきました。

ライター:南 歩実
滋賀県生まれ。京都在住。
大学在学中にフリーペーパーの編集・営業に携わる。卒業後、ディレクターとして、webサイト制作、イベント、交通広告、編集などに携わる。
やる気と元気が取り柄。美味しいご飯と音楽と洋服と柴犬が元気の源。
高校から続けているギターはいつでもそばにいる。

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自分たちがしたことは、良いも悪いも含めて受け止められるような生き方を

ー中井さん夫妻は、三島ウドの栽培もされていますよね。団体を始められたきっかけと、三島ウドの繋がりはあったのでしょうか?

中井優紀さん
まず、私たちがこの地域に引っ越してきた時、ちょうどこの地域の高速道路の開発事業が始まったんです。私たちは週末だけ田んぼや畑をしていたのですが、工事が始まってから、今まで何の問題もなかった場所が獣害被害にやられてしまって。
でも、こういうことって私たちが知らなかっただけで、多分どこでも起こっていることだと思うんですよ。なので、被害に遭った時、自分たちが積み重ねてきたことが一瞬で無くなってしまうことが腹立たしい、と言うよりも、自分たちが知らない間にそういった被害を誰かに押し付けていた、ということがすごくショックでした。
だから、自分たちがしたことは、良いも悪いも含めて受け止められるような生き方ができたらなと思い「この地域に根ざしたことを何かしよう」と決めましたね。

中井優紀さん

中井優紀さん
この地域で何か仕事を始めたいと思って、色々候補はあったんですけど、最終的にこの地域で1番大事にされていた「三島独活」という品種のウドを作ることに決めました。三島ウドの唯一の栽培農家が高齢を理由に栽培をやめるというのをお聞きして。後継者がいないと聞いていたので、じゃあ、私たちが継ごうかって言って始めました。

三島ウド

いろんな特性を持った人達が協力し合って、面白くサバイバルできるような環境を作りたい

ーみずとわのメンバーは今5人ですが、皆さんの出会いはどこだったんですか?

中井優紀さん
三島独活の栽培を継いだ頃、地域のことを一緒に考えて何かやっていける仲間が欲しいなと思って、「ほくちの会」を立ち上げました。ほくちの会は、ざっくりいうと「地域をどうしていくのかっていうのを考えていく会」です。有志でいろんな人が集まってきたんですけど、そこで1番最初に出会ったのが横峯くんでした。

写真中央・横峯哲也さん、写真右:横峯亜由美さん
自然養鶏による有畜型循環農業を行う「清阪terrace」を立ち上げ、活動している。

横峯哲也さん
僕は、ほくちの会を立ち上げる話を知り合いづてに聞いて、どんな感じなのかなと思って行ったのがきっかけです。

中井優紀さん
ほくちの会では、私たちのやってる農業のことや地域のことを知ってもらうために、イベントも開催していたんです。そのイベントに、ゲストでやってきたのがあゆみちゃん。最初はお客さんからのスタートだったんです。

横峯亜由美さん
そうなんです。知人から「山の方でみんな集まってご飯を食べるイベントがあるけど行ってみる?」と誘われて。そのイベントに参加したことがきっかけでした。

ー中田俊さんは、どこで出会ったんですか?

中田俊さん
僕は、A-KIND塾で中井さんと出会いました。一度、畑を見に行きますねって言ってた時に、大阪北部地震が起きたんですよね。

中田俊さん
地球全体での持続可能な取組みをするため、「学び場とびら」を運営している。

中井優紀さん
私たちは、大阪北部地震と西日本豪雨で、創業以来コツコツ増やしてきたウドの2/3を失いました。その時に、農産物を売ってやっていくのにはもう限界があると感じて。三島ウドと循環型の農業体験をベースとした収入があれば、安定的にやっていけるんじゃないか、というのを思い始めていました。その時に中田さんが来てくれて、「都会の方でも農作業したいって言う人もいますよ」という話を教えてくれて。
資源枯渇と気候変動の影響で、普通に生活していくってこと自体が困難になってくる時代がやってきた時に、外部環境になるべく惑わされずに、自分たちの生活は自分たちで成り立たせられるだけの仕組みをちゃんと作っといた方が良いのではないか、というものがこの5人の共通した想いとしてありました。そういう街づくりをするような会社を作ろうか、という感じで始まったのが、一般社団法人 みずとわです。

みずとわの拠点「にんげん小屋みずとわ」
みずとわの想いが、にんげん小屋みずとわの襖に描かれていました。

中井優紀さん
みんな、自然環境に1番近い場所にいるので、自然にめちゃめちゃ振り回されているわけですよね。その中で「自分たちがこれからどう生きていくか」というのを結構考えた結果、1人ではどうしようもならないな、という結論に至りました。なので、いろんな場所に住んでる人たち、いろんな特性を持った人達が協力し合って、面白くサバイバルできるような環境を作りたいと思っています。

色んな人が関わることで、着地点が想像できないほど広がっていく事業

ーみずとわでは、具体的にどのようなことを行っていますか?

中井優紀さん
大きく分けて、アグリカルチャー事業・バイオチャーエネルギー事業・スモールマーケット事業・コミュニティ事業の4つの事業を進めています。その中でも、1番のコアとなっているのはコミュニティ事業で、これは「この場所で活動するプレーヤーを増やしていこう」というものです。

みずとわのコミュニティ事業の拠点はにんげん小屋なのですが、このにんげん小屋の維持管理は、みずとわ・みずとわ自治会・乾物屋スモールが行なっています。維持費は、今のところ、皆で投げ銭でまかなっています。今関わっている人たちと連携をしながら、色々な取り組みを始めています。アップサイクルブランドを作る話や、みずとわの支部を作る話など、メンバー全員が活発に動いています。

今、色んな人が関わってきて、色んなことができるようになっていて。着地点が見えないんですよね。想定しないことに転がっていくっていうのは、活動していてすごく面白いです。

スモールマーケット事業では「小さい経済圏の中で自立していく」ということを目的にし、乾物屋スモールさん協力のもと、廃棄になるような農産物などを加工品にして、にんげん小屋で販売しています。

中井優紀さん
次のみずとわのステップとしては、ゴミや間伐材・竹などを炭にするエネルギーで発電しながら、土に炭素を固定し戻していく仕組みづくりと、ヤギや鶏などの家畜による有機物の循環の強化を、様々な理由で働きにくさを感じる人たちと実現していくことを考えていますね。

「お寺」の新しいコミュニティのあり方

ーテラエナジーを知ったきっかけは、皆さんそれぞれ違うと思いますが、知った時どんな印象を持ちましたか?

横峯亜由美さん
お寺で電力事業って聞いて、最初はちょっと違和感がありましたね。でも、色んなことをやっていくににしても、お金は絶対必要だし、それを「どうせなら環境にいいことで」っていうのがすごく素敵だなって思いました。こんなお寺ばっかりだったらいいのになって。近所のお寺とは全然イメージが違って、すごくインパクトがありました。

横峯哲也さん
僕は、もともとお寺って地域の中心だったのに、今はそうでもないと思うんですよね。その本質のところにちゃんと立ち返ろうとしているというのがすごく良いなあと。

中井優紀さん
私は、まだ地域のコミュニティの中心にお寺がいるエリアに住んでいるので、お年寄りには重要な居場所の1つになってるのかなと思っていました。でも、近所のお寺さんがこの先続けられるかっていうと、次の世代がいないのでもう難しくて。そういう意味では「電気」という1つのツールを得ることで、お寺が続いていくひとつのきっかけになるっていうのはとても良い事業だなと思いました。
時代とともに変わってくるじゃないですか、コミュニティのあり方も。そういう意味で「お寺が何を担うのか」というのは、これからすごく楽しみですね。

ーありがとうございました!「自分たちがしたことは、良いも悪いも含めて受け止められるような生き方をしたい」という中井さん夫妻の考えのもとに、多種多様なメンバーが集まり、交わることで今のみずとわがあるということを感じたインタビューでした。5人のメンバーの考え方はそれぞれバラバラですが、誰1人として誰かの意見を否定することは無く、色々な人と考え方が混ざり合っている光景がとても印象的でした。これからの活動がとても楽しみです!

団体情報

設立
2019年
活動領域
環境・社会問題/循環型まちづくり
活動中心地域
関西地域・大阪府茨木市

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