2021(令和3)年11月25日(木)付の仏教タイムスに、京都市と弊社が協力して開催した宗教者向け環境問題研修会「仏教が環境問題に関わる意義とは 〜実践事例からヒントを探る〜」の様子が掲載されました。
京都市×テラエナジー
仏教者に向けて再エネ研究会
寺院が関わる意識と理解深める
電力の再生可能エネルギー転換を目指す国内独自の枠組み「再エネ100宣言REAction」(事務局・東京都千代田区)に参加する京都市は15日、新電力会社「テラエナジー」(同市右京区)と協力し、仏教関係者向けに特別研究会を開いた。浄土真宗本願寺派や臨済宗妙心寺派などの教団も参加し、僧侶ら約35人は仏教者や寺院が環境問題に関わる意義の理解を深めた。
この枠組みは2019年に発足し、再エネ100%への転換を宣言する中小企業や行政など約200社・団体が参加。京都市はアンバサダーを務める。テラエナジーは、2018年に竹本了悟社長ら本願寺派の僧侶が立ち上げ、82%と高比率の再生可能エネルギー由来(FIT電源含む)の電気を供給している。
同社創立メンバーの取締役で恵光寺(大阪府八尾市)の本多真成住職が発表し、気候変動問題に仏教者が取り組む意義について、ノルウェーの哲学者アルネ・ネスが提唱した「ディープエコロジー」の観点を交えて提言した。
大学では気候変動問題と仏教をテーマに研究し、同派総合研究所でも検討を進めてきた本多氏。「あらゆる物事は関連していて独立した存在はない」との認識のもと環境問題を考えたネスの思想を説明し、「ディープエコロジーに最も接近したのが仏教」と指摘。「寺院は移動できない。地域で安心できる環境づくりをしなければならない」と、仏教者がリーダーシップを発揮することに期待を寄せた。
続いて地域住民らと1996年に設立した環境NPO「足元から地球温暖化を考える市民ネットえどがわ(足温ネット)」(東京都江戸川区)の理事を務める浄土宗寿光院(同)の大河内秀人住職が登壇。国内の二酸化炭素排出量に占める一般家庭の割合はかなり低いため、「世の中の仕組みを変える働きかけが大事になる」と語った。
足温ネットでは、同寺や高齢者施設など3カ所で太陽光発電所を運営するほか、省エネ家電を買い替える資金の融資を行うなど市民を巻き込んで活動していることを紹介し、「公でも私でもない『共』の存在として、人権や環境が尊重される民主的な社会の担い手となる市民を育み、支えていくのが寺院の重要な役割」と話した。
ほかに気候ネットワークの豊田陽介上席研究員が発表した。
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【宗教関係者対象】仏教が環境問題に関わる意義とは ~実践事例からヒントを探る~